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反表現規制、山田太郎・新体制始動

前エントリーでも述べたが、
・「表現の自由を守る党」は「表現の自由を守る会」に衣替えをした上で存続
・MANGA議連への残留
が決まった。
それと、新たに「ニューカルチャーラボ」というシンクタンク組織を立ち上げたとのこと。
規制の動きに備えるのに非常に強力な体制が整ったように思う。

一方で、不安というか不透明な部分も残る。
シンクタンクを設立するにせよ、それはご本人の得意分野である産業政策関連にすべきではなかったのか?
まったく別分野の政策を掛け持ちする例は珍しくない。
産業政策に軸を置きつつ、漫画やアニメ文化を擁護する活動にも携わったところで別段問題ない。
そもそもカルチャー絡みの団体では実入りが限られるのでは?

現時点では他社のプラットホームに依存しているようで、杜撰な印象がある。
やるからには自らHPを作成し腰を据えて活動を行うべきなのでは。
まだ立ち上げたばかりでこれから組織堅めをしていくのだとは思うが・・・

また「表現の自由を守る会」は今後どのように位置付けていくのか?「ニューカルチャーラボ」との関係は?
表現の自由を守る会」は、「党」時代から会員を募ってきたが、殆ど活動実績がない。
掲示板があるが、山田氏本人の書き込みは殆どなく、コメントが書き込まれてもほぼ放置状態だ。こういうのが一番よくない。結局コメント書き込んでも反応がなければ失望して読者は去ってしまう。山田氏自身がもっと積極的に応答し議論を深めていくべきなのでは?


もう一点気がかりなことがある。
繰り返しになるが「アニメーターの待遇問題」である。
山田氏自身がこの問題に前のめりになりすぎている。
現在のアニメビジネスは、ソフトパッケージの売り上げに依存し、ファンが身銭を切って「応援消費」をしながらも、それでも十分な収益を確保するのが厳しい現状にある。売り上げが300とか400程度の作品がざらで、それらは制作費の1/10程度しか回収できていない。ヒット作の売り上げでもそれらの穴埋めは困難だ。
それを、代理店だの制作委員会だのTV局だのが中間マージンをごっそり抜き去っているから現場のアニメーターの給与に回らないといったネット上のデマを真に受け、待遇の改善を国に要求する態度はいかがなものかと思う。

おそらく山田氏は庵野秀明氏の影響を受けたのだろう。
しかし、庵野氏は「アニメの嫌いなアニメ監督」であり、視聴者・ファンを小バカにし、後進のクリエイターをディスっている。ネガティブなことばかり言っている。
エヴァンゲリオン」の新作を作っているようだが、すでに過去の作品であり、氏自身過去の人だ。

規制推進派はアニメ漫画文化を潰すことが最終的な目的なのだから、手段を選ばない。
児ポ法で規制できなければ今度は青環法を繰り出してくるし、それがだめならアニメーターの雇用環境を口実にして潰しにかかるだろう。
庵野氏は規制推進派の尖兵になりかねない。氏は過去の児ポ騒動や都条例騒動からも距離を置いてきた。自分の気に入らない「現在のアニメ文化」が滅びようが何の未練もないだろう。

山田氏も何でこんな人物をMANGA議連に引き入れたのか? おそらく有名な「エヴァンゲリオン」の監督で、アニメ文化にフレンドリーで、アニメ等を巡る諸問題で力になってくれるだろうと安易に考えたのだろう。とんだ見込み違いだ。もっと慎重に人選すべきだったろう。

もちろん、私もアニメーターやその他アニメ製作スタッフの待遇は一愛好家としてよくなってほしいとは願っている。
だが、それは法律で雇用規制を力づくで頭ごなしに行えば解決する問題ではない。
代理店や制作委員会を叩いて彼らにさらに不利益な条件を押し付ければ出資者なんてたちどころにいなくなってしまい資金はショートしてアニメ制作そのものが不可能になる。それでは本末転倒だ。
クラウドファンディングも試みられてるが、最近でも「迷家-マヨイガ-」という作品で行われたが、けっこう名の知れた監督が手掛けたにもかかわらず集まったのはせいぜい数百万円であり、1クール12話の1タイトルで制作費2億円以上掛かることを考えれば気休めにもならない額だ。こんな仕組みで毎期数十タイトルの制作費を調達できるわけがない。
クラウドファンディングとは要はファンドであり、もし作品がヒットしてBlu-ray等のソフトの売り上げが好調で利益がでれば、出資者にそれが還元される。逆に言えばソフトパッケージが売れなければ出資金はパーということになる。
迷家-マヨイガ-」の売り上げは前評判とは裏腹にあまり芳しくなかったという。こうなるとそういう人たちはソフトパッケージも買う余裕すらなくなりかねない。悪循環に陥るだけだ。
やはり代理店や制作委員会といった資金力のある主体にリスクを引き受けてもらい、ファンは自分がいいと思った作品はできるだけ購入するというシステムが現時点では一番マシだろう。

その上で、現場アニメータ等の待遇改善をはかる方法であるが、山田氏はどこかのアニメ制作会社の顧問となり、会社の利益につながるような施策をアドバイスするというようなことをやってはどうか。
たとえば、制作委員会が中抜きというのであれば、販売の一段落後に権利を制作会社自ら買い取り、のちにソフトパッケージの廉価版を出してその際の利益をしっかり確保する、というやりかたもあるだろう。そうしたことを円滑に進められるような法改正にこそ力を注ぐべきだ。
とにかく末端の制作会社、制作スタジオが資本を蓄積して体力を高めないことには、雇用もきちんとできないし、待遇改善などおぼつかない。
アニメーターの待遇改善を国に掛け合うというのはどこかずれている。山田氏が業界の手本となるようなよいモデルを示すべきだろう。