漫画アニメ規制問題 論点整理3/5

次に②を見ていく。

萌え系キャラクターの表現に至っては、もはやなぜ児童ポルノ規制の対象に加えなければならないのか、意味不明である。

 児童性犯罪が起きた際に、容疑者宅からアニメや漫画関連グッズが押収されたことや、容疑者が学生時代アニメ好きだったなどという元クラスメートの証言などがマスメディアによって大きく取り上げられる。
なので、アニメ(のキャラクター表現)と児童性犯罪とに何かしらの因果関係があるのではとする向きもあるだろう。
だが、今やアニメはありふれた文化だ。

深夜アニメを観ている大学生は約5割
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/36514

「犯罪者の98%はパンを日常的に食べている」ように、性犯罪者の多くが何らかの形でアニメに接していていたとしても何ら特徴的なことではない。

また、実際には児童性犯罪者周辺からは、アニメに限らず、アイドル関連のもの、実写ドラマ、成人AV、ポルノなども普通に出てきていることだろう。だがそれらが報じられることは滅多にない。アニメの話が出たとき「だけ」は、まるで鬼の首でも取ったようにメディアはここぞとばかりに大々的に報じる(そもそも女児に性犯罪犯す人間が現実の人間のコンテンツには一切興味を示さないで、萌え系アニメに刺激され一足飛びに女児に犯行を犯す、とする時点でかなり不自然だ)。

 

この容疑者男性は児童ポルノ画像を30万点所持していた疑いで逮捕された。
だが、そのほかにも同時に60万点以上の成人のポルノ画像も所持していたという。
しかし、そのことはほとんど触れられず、なぜかアニメフィギュアが目立つように押収物として並べられた。
成人ポルノは隠され、児童ポルノが押収されたこととアニメのフィギュア「だけ」を公表し、児童ポルノ(児童性愛)とアニメに強い関係性があるように装い世論のミスリードを誘う。彼らの典型的なやり口だ。

 

記事にもあるように、アニメとは真逆の反応だ。メディアによってアイドル文化が批判されることはまずない。マスメディアにとって、アイドル文化とはすなわち“自分たちの文化”という意識があるのかもしれない。
そうは言っても、実際(美少女)アニメ愛好家が女児に性犯罪を犯したケースもあるのではないかという反論もあろう。

これについては前エントリーで述べたとおりだ。

「相手の年齢に拠らない、児童と成人の垣根のない、両者にまたがる欲望など無数に存在する」

萌えキャラも同じだ。
萌えキャラのみ欲情する人がいる一方で、萌えキャラと現実の人間との垣根のない、両者を広義のフェティッシュな欲望で結びつける人もいる、というだけの話だ。

それはもはや児童性愛とは違う文脈の嗜好である。児童性愛とは「もっぱら児童しか性愛対象にしえない」指向である。

児童性愛者は子供の顔に反応する、という研究結果。彼らが強く反応するのは萌えキャラのいわゆる”アニメ顔”なんかにではなく、現実の女児に対してだ。萌えキャラ愛好家は女児に対し無関心、むしろ否定的な人が多い。女児の嫌いな児童性愛者などという矛盾した存在はありえない。また、あとで述べるが、萌えキャラ文化バッシングの一角を児童性愛者らが占めている。

 

「成人」のコスプレイヤーの写真集が1回のコミケで千万円単位の売り上げを誇っていたりする。

先に引用した、美少女キャラフィギュアの晒された児童ポルノ事件でも、容疑者は成人ポルノをも嗜んでいた。

「成人」でも代替が効く。その時点でもう児童性愛ではない。

女児や未成年女子と萌えキャラクターの間に、排他的な、密接な関係などない。

 むしろ女児や未成年女子との距離感は萌えキャラなんかよりも同じ現実の人間同士、成人女性のほうがはるかに近い。

成人と子供がいて、子供のバリエーションの一つとして萌えキャラが存在するのでなく、[子供を含む現実の女性/萌えキャラ]という括りでとらえるのが自然だろう。

 とにかく、児童ポルノ、児童性愛文脈で萌え系キャラクターの表現を取り締まろうというのは的外れである。(つづく)